南鳥島漂流記

航海日誌

《南鳥島》平成12年7月30日朝に南鳥島上陸

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 6日目
上陸開始、7番目にようやく上陸を果たしました。荷揚げ開始、荷揚げに必要な鉄板、重機等が最初。運んできた爆薬は、本日最後の予定のはずが翌日1番に変更され、明日は半日勝負となるので着の身着のままで島泊を決意し宿舎へ。午後、電波塔の調査。14年前に倒した電波塔のグニャグニャに曲がった鉄棒の記念碑が建っていた。島の居残り組はチャカ(曳舟)の船長、受取方の人達、と私達10名ほど、他の人達は船に戻る。台船、チャカ2艘は岸壁に借り置き。
 7日目
朝方より、大風で海にウサギがたくさん跳ねている(白波のこと)。上陸も荷物もおろせない。食事は、朝食(弁当)を運ぶのがやっと。船に取りに行ったチャカは時々波頭に船が隠れる状態で一同大いに心配したがどうにかこうにか朝食の回収に成功したけど、昼以降はどうする!!  結局、海上保安庁から食料を拝借し厨房も借りて「ごはん」「サンマの蒲焼き缶詰」「トン汁パック」で昼を過ごす。
午後は暇なので南鳥島の観光。飛行場を横切って...気象庁のレーダードームを抜け珊瑚礁を見に行く。近くにバーベキューの設備があったので椰子の木陰でのんびりしていると、14:00頃、海上自衛隊(海自)のYS11が着陸。宿舎に戻ると、硫黄島より食料の差し入れ一同喜ぶ。お米2斗、カレーの元300食分、ジャガイモ、タマネギ、冷凍太巻き寿司、冷凍ハンバーグ。夕食は冷凍太巻き寿司を野外で解凍し1パックを2名で分けて夕食。
 8日目
04:20依然状況は変わらず大波がうち寄せ岸壁も波がかぶっている。荷役中止!! ついに朝食は「ごはん」とお新香のみ。とにかく黒潮丸に取り残されている人達を上陸させるために、K建設S氏が音頭をとって島中をトラックで回り上陸地点探し、全員の意見を聞きながら、最適な上陸地点を決定するもチャカでは岸まで近づけない事と島を半周してチャカを回航することは波が荒いために出来ず本日は断念。仮設宿舎が出来るまでの宿舎としてテント7張り設営、ペグが珊瑚のため打ちにくい。昼食は、いよいよカレーです、何たって包丁もないのでナイフで調理しカレー作り、私も手伝って作りました。(大きな寸胴を厨房から運んだだけ)後で知った事、出発前にグァム島近くで作業中のH君から受け取ったE−mailの予言が的中、台風が接近している。海自の酒保へ買い出し!! 久々に缶ビールをゲット! H氏とプッハァー、食料に不安のある時って何故かうれしくなってくるものです。
 9日目
船に残されていた人達がようやく上陸。しかし黒潮丸はそのまま東京へ、あっという間に見えなくなって...荷物が揚がらず、仕事は出来ず、帰る船は私たちを乗せずに... 島流しだ〜
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